【プロ野球】松田宣浩復帰でチームに勢い。ソフトバンク「下克上」達成なるか? (2ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro

「昨年、チームの明るさも勝つための条件のひとつなんだなと感じました。チームが明るくあり続けることで、雰囲気もよくなる。得点すればみんなで飛び跳ねて喜び合ったりする。そんなことはしないというチームも当然あると思いますが、ホークスはそれではダメなんです」

 昨年の経験――それもまた、ソフトバンク「下克上」の大きなカギを握る。CSといえば、それまでソフトバンクにとっては最大の鬼門だった。2004年にプレイオフ制度が導入されて以来、いつも悔し涙を流し続けてきた。しかし昨年、7度目の挑戦にして初めて突破。しかもファイナルステージを4勝0敗(アドバンテージの1勝を含む)と圧倒的な強さで勝ち上がった。ちなみにその時の相手は西武だった。

 これまで敗れてきた過去6回との大きな違いは調整法だった。一昨年までは長いシーズンの疲れを取るために3日間ほど休養してから練習を再開していたのだが、それが試合勘を鈍らせてしまう原因になった。その反省から昨年は、シーズン終了の翌日に休んだだけで、すぐに「みやざきフェニックスリーグ」に参戦して5試合を行ない、福岡に戻ってもすぐに全体練習を行なった。

 そして今年は、「休みなし」である。10月8日のシーズン最終戦翌日もヤフードームで全体練習を行ない、夕方に宮崎入り。10日にフェニックスリーグで実戦調整をして、すぐに福岡に戻った。そして11日もヤフードームで練習をしてから上京し、12日には西武ドームで前日練習を行なう予定だ。

 手綱(たづな)を緩めることなくCSに挑むソフトバンク。また、秋山監督の「喝」もチームのムードを絶妙に高めた。8日の最終戦ではオリックス・西勇輝にまさかのノーヒット・ノーランを喫した。試合後のセレモニーでマイクの前に立った秋山監督はひと通りのあいさつを終えた後、ひと呼吸置いてまた話し始めた。

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