【プロ野球】セの捕手として初の快挙達成なるか。阿部慎之助の三冠王の可能性を探る (3ページ目)

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 そして今シーズンも統一球導入2年目とはいえ、依然として投高打低の状況は続いている。それでも関係なく快打を連発する阿部を見ていると、イチローに重なる部分があるように思える。セ・リーグのある投手は、阿部のバッティングについて次のように説明する。

「普通、変化球を待ってストレートが来ると対応できないんですが、阿部の場合は変化球待ちでストレートが来ても対応できる。最低でもファウルで逃げることができるんです。読みの良さもあるし、読みが外れても対応できる技術がある。ピッチャーからすれば、投げる球がない状態です」

 惜しくもイチローは3本差で三冠王を逃したが、通算300本塁打にあと9本と迫っている阿部なら……。残り試合もあとわずかだが、阿部の1打席1打席に注目してみたい。


【阿部とバレンティンの対戦別本塁打】
※( )は残り試合数。数字は9月14日現在

■阿部慎之助
中日…3本(3試合)
ヤクルト…4本(4試合)
広島…4本(3試合)
阪神…2本(2試合)
横浜…5本(5試合)
交流戦…5本

■バレンティン
巨人…5本(4試合)
中日…6本(1試合)
広島…6本(6試合)
阪神…3本(5試合)
横浜…4本(4試合)
交流戦…3本

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