【プロ野球】WBCまで半年。日本だけが監督を決められない理由 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Thomas Anderson/AFLO

 第二を外せば、WBCを経験している元ドラゴンズ監督の山田久志さん、ドジャースのマイナーでコーチを務めるなどアメリカの野球に通じている元ベイスターズ監督の山下大輔さんなども挙がってくるかもしれない。

 そして、思い切って第一を外せば――メジャーリーガーに対して“ニッポンの顔”を務めることができる野茂英雄さん、WBC、オリンピックを経験しているスワローズの宮本慎也、メジャーの経験もある桑田真澄さんも候補になり得る野球人だろう。

 過去2度のWBCで4位、6位に終わったアメリカは、今年の6月にヤンキース、ドジャースの監督を務めたジョー・トーリ氏を指揮官に選んだ。台湾は、この9月に謝長亨の監督就任を決めた。プロとアマが協力して組織委員会を立ち上げ、下馬評の高かった元ライオンズの郭泰源氏ではなく、いすゞ自動車でもプレイしたことのある台湾プロ野球の現役監督である謝長亨氏を選んだのだと聞いた。また韓国は、今シーズンのリーグ優勝監督が代表監督を務めることになっており、選考方法は明快だ。

 日本は、誰が監督になるかということ以前に、誰がどうやって選ぶのかさえ決めていなかったのだから、この期に及んで迷走するのは当たり前だ。加藤コミッショナーの一存で王さんに任され、錦の御旗を掲げた王さんが選ぶことでNPBの責任を曖昧にする、ということで本当にいいのだろうか。とどのつまり、王さん、原監督ときて、その次はリストに載った名前から選ぶしかないのだから、意外な大穴は存在するはずはない。もはや満場一致で選ぶことは不可能なのだ。ならば大事なのは、せめて、誰がどうやって選ぶのかを決めておくことだった。ほどなく、日本代表の監督が決まるだろう。もし、この稿の中にない名前でも挙がろうものなら、それこそ拍手喝采なのだが(笑)。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る