【プロ野球】3位争いを制するのは?広島VSヤクルト、それぞれのカギ (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

大きく負け越している巨人、中日の上位2チームとの戦いにも注目が集まる大きく負け越している巨人、中日の上位2チームとの戦いにも注目が集まる上位チームとは互角以上の戦いをしているだけに、下位チームからの取りこぼしを減らしたい上位チームとは互角以上の戦いをしているだけに、下位チームからの取りこぼしを減らしたい 一方のヤクルトは、ここまで47勝53敗3分と6つの借金を抱えている。ただ、これは9勝15敗と大きく星を落とした交流戦での数字がそのまま残ったとの考えもできる。阪神に対しては6勝9敗と3つの借金を抱えているが、巨人には7勝7敗3分、中日に対しては11勝7敗2分と、上位チームにも互角かそれ以上の戦いを見せている。

「セ・リーグとの対戦成績を見てもわかる通り、ヤクルトの力は誰もが認めるところ。しかし、とにかく故障者が多い。今年も宮本(慎也)、バレンティン、相川(亮二)が戦線を離脱して、チームの成績が落ちていった。ヤクルトのポイントは故障者がいつどのタイミングで戻ってくるかでしょうね。もちろん、小川(淳司)監督も勝負はそこからだと思っているでしょう」
 
 さらに両者の戦いを熱くするのが、直接対決がまだ9試合も残っていることだ。ここまでの対戦成績は7勝7敗1分とまったくの互角。果たして、ここからの直接対決で勢いに乗るのはどっちなのか。まずは8月28日からは神宮で3連戦が行なわれ、ここが大きな見どころとなる。

「広島が3連勝すればゲーム差は5.5に広がり、一気に先が見えてくるでしょうけど、まずそういう展開になりそうにない。どちらも連敗だけはしたくないというのが、今の首脳陣の気持ちではないでしょうか」

 そして直接対決のキーマンを挙げるなら、広島は野村、ヤクルトはバレンティン。野村はヤクルトに対して3勝2敗、防御率は1.03と抜群の安定感を誇っている。一方、現在離脱中のバレンティンだが、広島戦は14試合に出場して6本塁打。早ければ今月末にも復帰すると囁かれており、1日も早い復帰が待たれるところだ。

広島の強力投手陣に対してヤクルトはどんな攻撃を仕掛けてくるのだろうか広島の強力投手陣に対してヤクルトはどんな攻撃を仕掛けてくるのだろうか また、ここまでの両チームの数字を見てみると、ヤクルトはチーム打率、本塁打でリーグトップだが、防御率は広島の2.79に対し、3.59と大きく数字を落としている。それぞれ戦い方がはっきりしている中、勝敗を分けるものとは何なのか? 再び山崎氏が語る。

「ここから急に戦い方やチームカラーが変わることはありません。数字にも出ているように、広島は投手力、ヤクルトは攻撃力を持ち味に戦っていくでしょう。ただ、その中で広島ならリーグ2位の盗塁、1位の犠打をうまく絡めて、いかにして得点力を上げていくか。ヤクルトなら投手陣がどこまで踏ん張れるか。そういう中で拾った1勝が最後に大きな意味を持ってくると思いますね。ただ、投打とも決め手があるわけではない両チームなので、最後の最後までもつれるでしょうね」

 この後は9月17日からマツダスタジアムで3連戦があり、10月4日にマツダスタジアムで1試合。そして10月6日からは神宮で最後の2連戦が予定されている。最後のドラマを楽しむためにも、まずは明日からの3連戦に注目だ。

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