2012.06.11

【プロ野球】三浦大輔「5年後の優勝なんて待っていられない」

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

photo by(C)YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

――若いピッチャーにはどんなアドバイスを。

「ああしろ、こうしろとは言わないけど、その都度、気づいたことは言うようにしています。例えば、『オレだったらあの場面は、こういう気持ちでマウンドに立つよ』とかですね。技術的なことよりも精神的なことが多いかな。たしかに若いヤツらはいいボールを投げますよ。だけどブルペンでは投げられるのに、試合になると投げられない。最終的には自分が変われるかどうかなんです。これまで、素質はあるのに力を発揮できずに去って行く選手をいっぱい見てきました。若い選手にはそうならないようにと話をするけど、あとは本人の自覚だけ。そういう選手は自分が変わらないと、結果も変わらないと思う。ただ、そのように少しでも変わっていく選手が増えていけば、チームは絶対強くなりますよ」

――三浦選手もそうした自覚があったから、長い間プロの世界でやることができたんですね。

「まあ、いま思えばですよ。言い方は悪いですけど、オレは欲の塊(かたまり)なんです。勝てば給料も上がるし、給料が上がればいい車にも乗れるし、いい生活ができる。良く言えば、目標を持っているということなんだけどね(笑)。でも、そういう気持ちがあったから、今の自分があると思っています。まだ若くて出番のない時は、先輩の投手が投げている時はずっと『打たれろ』って思っていました。相手チームに勝つことも大事だけど、まずはチーム内のライバルからポジションを奪わないと」

――若手選手の台頭に危機感を持ったりしますか。

「逆に、もっとバチバチやりたいですね。そうなることでチーム力というのは確実に上がりますから。だから、若い連中には『30歳後半のオッサンが活躍していていいの?』って言いたい。このままだったら、いつまでたってもオレがいい思いをするよって。正直なところ、『もう三浦さん休んでいてくれて結構ですよ』って、食ってかかってくるような選手が増えてくれたほうが嬉しいかな」

――先程も"引退"の言葉が出ましたが、三浦投手にとって理想の引き際、エンディングというのは。

「まあエンディングに理想とかはないけど、まだまだ欲がある以上は辞められない。打たれたくないし、負けたくないし、もっと上手くなりたい。まだまだヘタクソだから大嫌いな練習をするんですよ。具体的に引退なんて考えていないけど、どういう時にけじめをつけなければいけないのかな......。もちろん、ケガをして投げられなくなったら諦めもつくんでしょうけど、今のところ肩も肘も問題ない。となると、やっぱり自分のピッチングができなくなった時かな。これまでずっと先発をやってきて、オレには先発しかないと思う。なので、これからも先発にはこだわっていきたい。それを貫けなくなった時、またいろいろと考えるんじゃないかな」

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