【プロ野球】いよいよ交流戦。今年こそセ・リーグの巻き返しはあるか? (2ページ目)

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 青山浩二●写真 photo by Aoyama Koji

過去7年、優勝チームはすべてパ・リーグ。今年こそセ・リーグから優勝チームは出るか?過去7年、優勝チームはすべてパ・リーグ。今年こそセ・リーグから優勝チームは出るか? また、交流戦は2連戦と4連戦の組み合わせ。普段は6人で回す先発ローテーションも5人、もしくは4人で回すことが可能だ。こうした傾向を頭に置いて、成績を伸ばしてきそうなチーム、苦しくなるチームを山田氏に挙げてもらった。

「杉内、内海(哲也)、澤村(拓一)という先発陣が充実しているジャイアンツは、交流戦前に5割に戻した勢いもあるし、出てくるんじゃないかな。ドラゴンズもリリーフにやや不安はあるが、若い先発投手はいい。パ・リーグでは成瀬善久、唐川侑己にグライシンガーも好調なマリーンズに勢いを感じるね。反対に、ファイターズは、ほかのチームのエース級と真っ向からぶつかるには先発投手陣に少し不安がある。まあ、あそこは4番が2割に届かないような打率でも、点の取り方を知っているので大きく落ち込むことはないだろうが......」

 選手の能力のほかに、勝敗を分けそうなのが戦術。交流戦用の戦術やデータ分析などはあるのだろうか。

「あまり交流戦を意識した戦い方をすると、かえって自分たちのスタイルと見失ってしまいます。大事なのは、あまり対戦したことのない相手だからといってバタバタしないこと。普段やっている勝ちパターンを崩さずに出していったほうが、いい結果が出る。パ・リーグに好成績のチームが多いのは、細かくデータを集めているからじゃなく、自分たちの戦い方をはっきり前面に出しているからですよ」

 自分たちの勝ちパターンを前面に押し出した戦い。そのためには、最初の2カード(4試合)が非常に大切になると山田氏はいう。

「最後に帳尻を合わせて5割でいければ、なんていう考えではダメ。最初から自分たちのパターンで全部勝つぐらいの気持ちで臨めば、あとの戦い方に勢いがつく」

 山田氏の話を裏付けるのが昨年優勝したホークスだ。交流戦に入ると、最初の12試合を10勝2引き分けと素晴らしい勢いで突っ走り、18勝4敗で優勝を飾り、レギュラーシーズンもそのまま押し切って日本一まで駆け上がった。戦力も抜群だったが、序盤重視という交流戦のセオリーを忠実に実現し、好結果を生んだ模範のような戦いぶりだったといえる。今年、ホークスのような戦いぶりを見せるチームは現れるのか。セ・リーグの巻き返しとともに目が離せない。

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