【プロ野球】顔面死球に思う。道具の進歩が打者の技術を下げている!?

  • photo by Nikkan sports

 私も大学、社会人の監督時代、当たっても痛くないボールを顔にめがけて投げ込み、ボールを避ける練習をしたことがあります。現オリックス監督の岡田(彰布)なんて、避けるのもうまかったですよ。これもバッターにとっては大事な技術だったんです。

 別にエルボーガードの着用を否定しているのではありません。体を守るという意味では、とても大事な道具だと思います。ただ、その前にしっかりと避ける技術を身に付けてほしいと思います。イチロー(マリナーズ)も今ではエルボーガードをしていますが、日本でプレイしている時は着けていませんでした。イチロー自身、最初は避けきれずに死球になることが多かったのですが、年々、技術を上げていきました。それはメジャーに行っても変わらないですよね。

 そして道具の話でもうひとつ。エルボーガードと同じく、自打球から身を守るフットガードというのも多くの選手が使用しています。私から言わせれば、あれを着けているというのは「バッティングが下手です」と言っているようなもの。つまり、ちゃんとインサイドアウトのスイングをしていれば自打球など当たるはずがないんです。だから監督時代、相手チームに自打球を当てる選手がいれば徹底的にインコースを攻めさせました。ドアスイングだとインコースは打てないですからね。わざわざ自ら弱点をさらけ出しているようなものです。

 いろいろな道具の進歩によって、確かにケガの数は減ったかもしれません。だからと言って、着けるだけで危険がなくなるということではありません。それに道具に頼りすぎて、技術を身につけることをおろそかにしてもいけません。自分の体は自分で守るべきだし、日々、技術の向上に努めてほしいと思います。

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