【プロ野球】いよいよ開幕!ハイレベルな新人王レースを制するのは誰だ!?

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 青山浩次●写真 photo by Aoyama Koji

オープン戦で好投し、開幕一軍を勝ち取った高卒2年目の宮國椋丞オープン戦で好投し、開幕一軍を勝ち取った高卒2年目の宮國椋丞 東京ドームで開催されたマリナーズとアスレチックスのメジャー開幕戦の余韻がまだ残る中、日本プロ野球も開幕を迎える。ダルビッシュ有や青木宣親など、今年も多くのスターが海を渡ったが、同時にそれは新たなスターの誕生を意味する。そこで今年の新人王の有力候補たちを紹介したい。

 今年は13人のルーキーが開幕一軍入りを果たした。なかでも注目は、早々に先発ローテーション入りを確定させたロッテの藤岡貴裕。オープン戦も3試合で13イニングを投げて2失点と抜群の安定感を見せた。西村監督は開幕3戦目の先発と同時に、「お客さんが多く入るプレッシャーの中で結果を残して大きくなってほしい」と"サンデー兆治""サンデー晋吾"に続く、毎日曜日の起用も明言。新人王候補最右翼の左腕は1年目からチームの命運を握っている。

 同じくロッテでは、リリーフで持ち味を発揮し始めた中後悠平も楽しみな存在だ。オープン戦では2試合連続して3者三振を奪うなど、左サイドスローから投げ込む140キロ台のストレートにスライダー、シンカー、チェンジアップを織り交ぜるピッチングはプロでもまれなタイプ。かつての"JFK"、阪神のウィリアムスのように勝利の方程式の一角に収まれば、昨年最下位のロッテの戦いも安定感を増すだろう。

 セ・リーグのルーキーでは、広島の野村祐輔が若手中心の投手陣にさらなる刺激を与えている。オープン戦では3試合12イニングを投げて自責点3とゲームを作り、実戦向きの投手であることを証明した。初登板は開幕3戦目となる中日戦が濃厚だが、昨年のリーグ覇者にどんな投球を見せるのか。昨年はルーキーの福井優也が8勝を挙げたが、野村がそれ以上の活躍を見せれば、14年連続Bクラスに甘んじているチームにも上位争いの可能性が大きく広がる。

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