2012.03.07

【プロ野球】新フォームで挑む由規の決意
「大卒1年目には負けたくない」

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 一軍に定着した2009年は、たびたび右手の指のマメをつぶして登録抹消をくり返した。12勝を挙げた2010年は交流戦前に不振で、約1カ月間二軍生活を送った。昨年は右肩痛の前にも左わき腹を痛めて戦列を離れた。今年こそ、1年間フルにローテーションを守るという意識が強い。

 幸い、調整は順調にいっている。2月27日の韓国・KIAとの練習試合では2回を無失点に抑え、151キロをマークした。「正直、ここまで投げられるようになるまでもうちょっとかかると思っていました。もう肩に不安はありません。焦らないのが一番だけど、これからどんどん投げて、実戦感覚を取り戻していきたい」と表情も明るい。

 そして今年は大学を卒業した同級生たちがプロ入りを果たした。なかでも新人王最有力候補といわれているロッテの藤岡貴裕にはライバル心を燃やしている。藤岡のウリは63センチの太もも。だが由規はそれを上回る65センチの太ももを誇る。「テレビを見ていたら藤岡の太もものことをやっていて、対抗意識を燃やして測ってみたら、勝っていました」と笑うが、プロで4年間鍛えてきた意地がある。世代をリードする存在として、負けるわけにはいかない。

 もちろんチームにとっても由規の存在は大きく、12勝を挙げた一昨年を上回る勝ち星を期待されている。そのための秘策を少しだけ明かしてくれた。

「やはりインコースですよね。統一球になって余計にそう思います。ダルビッシュ(有)さんが投げていた左バッターのインコースへのスライダー。間違いなくあれですよ。三振の映像を見たら、ほとんどがスライダー。打ってもファウルにしかならないですしね」

 日本人最速の161キロを記録したストレートは健在。それに加え、1年間ローテーションを守り抜き、スライダーを自在にコントロールできるようになれば――自己最多の勝ち星とともに、新しい由規が見られるはずだ。

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