【プロ野球】日本で活躍する外国人選手の正しい見極め方 (2ページ目)

  • 青山浩次●写真 photo by Aoyama Koji

 それに外国人によく見られるのが、ストレートはめっぽう強いが、変化球はからきしダメという選手です。日本の投手は、変化球のキレもコントロールもいいですから、ピッチャー不利のカウントでも平気で変化球を投げてくる。ストレート勝負はほとんどないと言ってもいいぐらいです。

 だから、外国人の打者を見るときは、過去に本塁打を何本打ったとかどれだけ遠くに飛ばしたとかではなく、しっかり変化球に対応できるのか、ボール球を見極めることができるのかということが大事になります。

 そして契約の際に重要なことは、本塁打や打点にインセンティブをつけるのではなく、出塁率につけるということです。本塁打や打点につけてしまうと、ボール球でも強引に打ちにいこうとします。こうなると、自身のバッティングもおかしくなりますし、チームにも悪影響を及ぼします。その点、出塁率だとボールの見極めもしっかりしますし、それがチームのためにもなる。

 外国人選手を獲得する際には、代理人から送られてくるビデオを見るのではなく、実際に足を運んで自分の目で見るべきです。おそらく代理人から送られてくるビデオは、いいところしか映っていないでしょう。それでは変化球が苦手であるとか、精神的なもろさがあるとかがわかりません。経費はかかるかもしれませんが、私は海外にもしっかりとした日本人のスカウトを置くべきだと思います。それが選手のためにもなるし、チームのためにもなるということです。

 そして今シーズンも多くの外国人選手が日本に来ましたが、私が見た中で期待できそうなのが、オリックスに入った李大浩(イ・デホ)と巨人のボウカーです。ふたりに共通していることは、変化球の対応力とボールの見極め、それに逆方向にもきれいに打てるということです。キャンプ、オープン戦のようなバッティングを続けていけば、かなりの成績を残すのではないでしょうか。

 この他にも、いい外国人選手はたくさんいると思います。今シーズンは外国人選手の活躍にも注目していきたいと思っています。

プロフィール

  • 石山建一

    石山建一 (いしやま・けんいち)

    1942年、静岡県生まれ。現役時代は静岡高、早稲田大、日本石油で活躍し、現役引退後は早稲田大、プリンスホテル、全日本の監督を務め、岡田彰布(現オリックス監督)、宮本慎也(ヤクルト)など、多くの名プレイヤーを育て上げた。95年には巨人に招聘され、編成本部長補佐兼二軍統括ディレクターに就任。現在は高校野球の指導や講演を中心に全国を飛び回っている。

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