【プロ野球】不動の中日内野陣に世代交代は起こるのか? (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 昨年はキャンプ中に左肩の鎖骨を骨折して出遅れたが、今年は順調をアピール。一昨年に記録した自己最多68安打の更新を狙う。

「目標はシーズン100安打です」

 高木守道監督も「セカンドが守れるのはわかっている。ショートも守れるか見ているところ」と、何とかして起用したい意向を口にしている。堂上にとって飛躍の1年になるのか、期待が高まる。

 そしてもうひとり、首脳陣の期待を集めるのが2010年のドラフト2位・吉川大幾だ。PL学園の先輩・立浪和義の背番号3を引き継ぎながら、1年目はファームでも打率1割9分1厘と苦しんだ。

「パワーがなかったですね。プロに入る前はどっちかというとバッティングより守備がちょっと……と思ったんですけど、逆でしたね」

 高校2年まではセンター。ショートになってまだ日は浅いが、連日の特守で鍛えられ、ようやく守備には自信がついてきたと言う。

「守備がすごく上達したのでよかった。プロでやれるレベルになってきたと思います」

 とはいえ、18日の試合前ノックで2球続けて一塁に悪送球したように、まだまだ確実性という部分では、先輩の井端、荒木との差は歴然だ。それに打撃も非力さが目立つ。だが、本人はいたって強気。

「去年よりは単純にボールが見えてきた。あとは下半身をもっと使えればいいと思う」

 高校時代は、「セカンドゴロを打つ意識」で体を開かず鋭い打球を飛ばしていたが、昨年はその余裕がなかったという。そして2年目になって、ようやくその意識を持てるようになった。高校2年の夏、大阪府大会5試合で5本塁打を記録した持ち前のバッティングを見せてくれるのはいつになるのか……。

「自分の長所は足とか守備範囲とかなので、そこをもっと磨いて使ってもらえるようにしたい」

 まずはスピードと守備をアピールして一軍出場を狙う。

 はたして彼らは、井端、荒木、森野を脅かす存在になれるのか。高木新体制1年目、世代交代からも目が離せなくなりそうだ。

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