【プロ野球】内海、澤村、杉内――巨人の開幕投手は誰が正解か? (2ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 青山浩次●写真 photo by Aoyama Koji

昨年18勝を挙げて最多勝を獲得した内海哲也昨年18勝を挙げて最多勝を獲得した内海哲也 巨人OBで、藤田元司政権下では投手コーチを務めた中村稔氏は、開幕投手の条件を「貯金のできるピッチャー」、つまり勝率の高い選手を起用すべきだと語る。中村氏が投手コーチを務めていた頃は、開幕1週間前まで投手の状態を見極め、ナイトゲームかデーゲームか、ドームか屋外球場かといった条件との相性も含めて開幕投手を決めていたという。

「藤田監督の時代は、開幕投手の指名を(投手コーチの)私に一任してもらっていた。現在は原監督に最終決定権があるのでしょうが、ふたりの投手コーチのうち、川口和久投手総合コーチはどちらかという"イケイケどんどん"のタイプですから澤村だろうし、斎藤雅樹投手コーチは緻密に考えるタイプだから内海でいきたいと考えるのではないでしょうか。巨人が開幕の相手だと、相手チームは目の色を変えて挑んできます。それを経験していない杉内は、勝つ確率で考えればふたりに劣る。やはり開幕投手は内海の可能性が高いと思います」

 本命・内海で、対抗・澤村、そして大穴・杉内というのが概(おおむ)ね評論家陣の一致した意見だ。それにしても、他球団がうらやむ開幕投手レースだ。野球解説者の野村弘樹氏の言葉がすべてを物語っている。

「これだけ高いレベルで開幕投手争いができる巨人というのは、あらためてすごいチームだと思います。しかも3人それぞれタイプが異なるので、いろいろなオプションが考えられるわけですから」

 3月30日に巨人はヤクルトとの開幕戦に臨む。原監督から東京ドームのマウンドを託された投手が、今年の巨人のエースである。

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