【プロ野球】岡田彰布×石山建一「伸びる選手はここが違う!」 (2ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

―― そのピッチャーについてお聞きします。各チーム、エースと呼ばれるピッチャーはいると思うのですが、本当の意味でエースと呼べるのは、どんなピッチャーですか?

石山 体力と信頼と責任感を持ったピッチャーだと思います。まずは1年間マウンドに立ち続けること。そしてチームの雌雄を決する大事な試合で、誰からも「アイツしかいない」と思われる存在であること。それがエースだと思います。

岡田 1年間ローテーションを守って、今は144試合だから最低200イニングを投げられるだけの体力と精神力を持ったピッチャーでしょうね。それに200イニングを投げる投手は、最低でも5つ以上は貯金ができる投手。逆に、12勝6敗だけど130イニングぐらいしか投げていないピッチャーはエースじゃないよね。数字だけじゃなく中身も問われますよね、エースは。

石山 たしかに勝ち星も大事だけど、それ以上にエースとしての振る舞い、風格が必要。でも絶対的なエースがいれば、チームとってこれほど楽なことはない。オリックスのエースは金子(千尋)?

岡田 金子ですね。たまにケガとかありますが、ボールそのものもすごいし、年々、エースらしさというのが備わってきました。ここまでくれば、あとは彼に任せるだけですから。それより勝敗のことを考えると、5番手、6番手でいかに勝つかだと思うんです。

石山 そこで貯金ができれば大きい。5番手、6番手は若い選手も多く、どう自信をつけさすかが問題だろうね。

岡田 そうなんですよ。去年、オリックスも3年目の西(勇輝)が10勝を挙げる活躍を果たしました。西は一昨年から一軍のマウンドを経験していて、勝ち星こそなかったけどある程度やれるだろうと確信めいたものはありました。とはいっても、一軍未勝利。とにかくプロ初勝利を挙げさせて、自信をつけさせたかった。そこで開幕6番手で起用することにしたんです。6番手というのは、ローテーションの中でもっとも相手投手の実力が劣るケースが多い。言い換えれば、最も勝てるチャンスがある。その通り6番手同士の投げ合いでプロ初勝利を挙げると、そのあと4連勝ぐらいしたのかな。とにかく勝ち星を重ねるたびに自信をつけていったんです。

石山 相手打線の状態や相手投手とこっちの打線の力関係を比較して、勝てる確率の高い試合にそうした若いピッチャーを投げさせて、自信をつけさすのはいいことだと思う。

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