【プロ野球】ポストダルビッシュ!次世代のエースはコイツらだ (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Nikkan sports

 そしてソフトバンクには、左の山田大樹(23歳)と右の岩嵜翔(22歳)。山田は昨年の日本シリーズ第5戦に先発し、6回を無失点に抑える好投を見せて勝利投手になり、パ・リーグの育成出身選手として日本シリーズ初勝利を飾った。山田の持ち味は、打者の手元で微妙に変化するストレート。これを188センチの長身から投げ下ろすという、日本には数少ないタイプのピッチャーだ。和田、杉内の両左腕が抜けた穴を埋められるかに期待がかかる。

 また、岩嵜は昨年プロ4年目で初勝利を飾るなど、6勝をマーク。7月28日の楽天戦では初完封も記録した。150キロを超えるストレートを投げ込むなど、ポテンシャルの高さは入団時から注目されていた逸材だった。そしてこのオフにはダルビッシュと自主トレを行ない、技術面だけでなく精神面でも多くを学んだ。1年間ローテーションを守り、最低でも2ケタ勝利が目標だ。

 さらに他のチームを見ても、ロッテは昨年12勝を挙げた唐川侑己(22歳)に大学ナンバーワン左腕と呼ばれた藤岡貴裕(22歳)。西武にも3年目を迎える菊池雄星(20歳)に一昨年のドラフトで6球団から指名を受けた大石達也(23歳)など、将来性豊かな逸材が揃う。

 野球評論家の山田久志氏はかつて次のようなことを言っていた。

「昔からパ・リーグは、ピッチャーが打者を育て、打者がピッチャーを育ててきた。それをずっと繰り返している。それがパ・リーグの伝統」

 そして昨年、FAでソフトバンクに移籍してきた内川聖一は、「パ・リーグには絶対的エースがいる。野球人として成長できる環境だと思う」と言っていた。そのエースたちがいなくなった今、次は打者たちがエースを育てる時ではないだろうか。内川をはじめ、ダルビッシュたちとの戦いで成長を遂げた中村剛也、中島裕之(西武)らの強打者たちと、次世代のエースたちの戦い――パ・リーグの伝統はしっかりと受け継がれていくに違いない。

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