【プロ野球】ホールトンは巨人で活躍できるのか?『国内移籍』助っ人の現実

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 もうひとつは故障や年齢的な衰え、または日本野球との相性などで前球団からは見切られたものの、「環境が整えば一定の成績は残せる」と他球団に判断され、移籍するパターンだ。ロッテが獲得したホワイトセル(元ヤクルト)、グライシンガー(元巨人)らがこのケースで、 "格安"で獲得できる場合が多い。

 ちなみにロッテのこの獲得には、昨シーズン中にオーナーサイドとフロントが衝突したお家騒動も絡んでいるようだ。外国人を含め編成面を取り仕切っていた石川晃本部長が9月に退任したため、外国人獲得に関する調査、ルートが消滅。急場の策として"経験のある"ふたりを獲得したというのだ。

 巨人から横浜へ移り国内3球団目のラミレス、西武から楽天へ移り、都合6球団目となるフェルナンデス、横浜から日本ハムへ出戻りとなったスレッジなど、日本球界を渡り歩く例も増えつつある。もちろん、様々な意味での安定感を買われてのものだが、フェルナンデスを例に、先の関係はこうも言う。

「フェルナンデスは昨年西武で6000万円。楽天では7000万円(推定)だけど、じつはそれにプラスアルファがあったと聞きます。各球団によっての事情があるでしょうが、38歳で昨年の彼の成績(.259、17本塁打、81打点)を考えれば、結構出したなという印象です。確かに統一球にも慣れて2割8分、20本の期待もできますが......。今、アメリカではメジャー40人枠の最低保証年俸が48万ドル(約3700万円)。ということは3Aクラスも含め、50~60万ドル出せばある程度力を持った選手を獲れる。そのあたりを含めて、どう考えるかでしょうね」

 フェルナンデスひとり分で新外国人をふたり獲得できる換算になる。ただ、それが"当たる"かどうかはわからない。まして昨年、特に外国人野手に泣かされた楽天にとっては、たとえ出戻りだろうが、フェルナンデスの安定感は大きな魅力と映ったのだろう。

 いずれにしても、求められるのはコストパフォーマンス。そういった意味でも、今季の国内移籍外国人の目玉、ホールトンの働きぶりには注目だ。昨年、ソフトバンクでの年俸は5000万円。それが今回は2年契約で出来高を含め、総額6億円(推定)。当然ながら巨人は、昨年19勝の右腕にV奪回の期待を寄せての獲得だが、まったく不安がないわけではない。

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