【プロ野球】セ・リーグ6球団、抜けた戦力を埋めるのはコイツらだ! (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 下柳剛が自由契約となった阪神は、楽天から松崎伸吾を獲得したのみで大きな動きはなかった。新井貴浩、鳥谷敬のFA流出は阻止したものの、チームは世代交代の時期を迎えている。昨季から大きなマイナスもないが、現有戦力をいかに刺激、再生していくか。コーチ歴7年、チームをずっと見つめてきた和田豊新監督の采配、大胆な選手起用を見てみたい。

 また外国人、新人以外の加入はなく、こちらも静かなオフを過ごしたのが広島。近年は主力のFA移籍が続き、そのたびにチームの柱を失ってきたが、今回は栗原健太が残留。前年と同じ戦力で戦えること自体、広島にとってはプラスからのスタートとも言える。2年目の福井優也、3年目の今村猛、さらにルーキーの野村祐輔など若手投手陣は楽しみな素材が多く、課題は攻撃陣。昨年、カージナルス傘下の3Aで28本塁打、109打点を記録したスタビノアを獲得したが、新外国人の活躍いかんでチームが大きく浮上する可能性を秘めている。

 大きな戦力放出もなく、大型補強に成功した巨人の有利が囁かれる2012年シーズン。だが、そうそう戦前の予想通り事が運ばないのも野球の醍醐味である。また、3人が入れ替わった監督も大きな“新戦力”といえる。その手腕にも大いに注目しながら今シーズンのセ・リーグの戦いを追っていきたい。

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