【プロ野球】セ・リーグ6球団、抜けた戦力を埋めるのはコイツらだ! (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 もうひとつ、村田の穴という意味では、チームリーダーの役割を担う選手の台頭にも興味が向く。村田も年々リーダとしての自覚を見せてはいたが、チームは変わりきれなかった。逆に考えれば、存在感の大きかった村田が抜けた今こそ、チーム変革の大きなチャンスともいえる。レギュラーに定着して4年目を迎える石川雄洋あたりがニューリーダーとしての働きを見せていければ楽しみも広がる。

 そして、昨年シーズン終盤まで中日と優勝争いを演じたヤクルトは青木宣親がメジャーに挑戦。一昨年まで6年連続3割を記録してきたヒットメーカーの移籍は大きいが、ヤクルトには活きのいい若手が育っている。昨年3番を経験するなど成長著しい川端慎吾にファームで55盗塁をマークした俊足の上田剛史、さらに中日とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルで一軍デビューを果たした山田哲人などだ。ひとりで青木の穴を埋めることは厳しいかもしれないが、彼らのポテンシャルは高く、首脳陣の期待も大きい。

 中日は16年ぶりに高木守道監督が復帰し、かつての主砲・山崎武司も10年ぶりに古巣復帰。時代が逆戻りしたような動きを見せる中、戦力的には強力投手陣を支えてきたチェンがメジャーへ移籍。この穴を誰が埋めるのか、吉見一起、ネルソンに続く1年を通してローテーションを任せられる先発ピッチャーの台頭が待たれる。

 その中で昨年、優勝のかかった巨人戦でプロ初登板、初先発も経験した2年目の大野雄大への期待が大きい。さらに2年間ファームで力を積んできた09年のドラフト1位岡田俊哉、2位の小川龍也、昨年故障で働けなかった小笠原孝の復帰も待たれるところだ。落合政権時代は福留孝介、川上憲伸、ウッズと投打の柱を続けて失いながら、常に結果を残し続けてきた中日。残った手駒をどう使い、育てていくのか。高木監督の手腕が問われるところだ。

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