2022年の大谷翔平はMVPだけじゃない! ジョニー黒木は「サイ・ヤング賞も40本塁打、40盗塁も射程圏内」と期待 (3ページ目)

  • 市川光治●文 text by Ichikawa Mitsuharu(Hikaru Studio)
  • photo by Taguchi Yukihito

── ボールの質ってどうだったんですか?

黒木 春季キャンプの時に大谷選手がシート打撃でバッティングピッチャーをする時に、ウォーミングアップで僕が受けたんです。その時のキャッチャーミットは新調したばかりで硬かったのに5、6球受けたら、フニャっと柔らかくなったんです。そしてギアを上げたボールを投げたら、グーンとミットの中に吸い込まれて、その勢いのままミットを突き破ってしまうんじゃないかという......初めての感覚に「これは本物だな」と確信しました。それまでは、「スピードガンがおかしいんじゃないかな?」「160キロはあり得ないでしょ?」と思っていたんですが......本物でした(笑)。

── 二刀流ということは練習量も人一倍だから、当時は監督やコーチがセーブさせていたと聞きました。

黒木 してましたね。やっぱり「投げる」、「打つ」と単純に人の倍の練習をやるので、ケガをさせないようにやってましたね。こちらがある程度制限をかけてあげないと、本人はいくらでも練習をやってしまうんですよ。やりたくてしょうがないけど、壊れてしまったら本末転倒ですから。僕ら(ピッチングコーチスタッフ)はピッチャーとしての練習のボリュームを把握して、野手としての練習のボリュームを野手のトレーニングコーチから聞いて、どっちかを落としたりとかバランスを考えながら無理しないようにチーム全体で意識してやってました。

想像を超えた起用法

── 昨シーズン大谷選手は「パルススロー」をひじに巻いて負荷を数値化したりと細かく管理していました。ファイターズ入団当時は、どんな感じでしたか?

黒木 当時はそこまで進歩してなかったですし、そういう科学的な取り組みをファイターズのなかではやってなかったです。コーチや、トレーナーが見てパフォーマンスが落ちてきたら制限をかけるという感じでした。なにしろ前例がないから、比較しようがないですしデータ自体もないですから。

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