2022年の大谷翔平はMVPだけじゃない! ジョニー黒木は「サイ・ヤング賞も40本塁打、40盗塁も射程圏内」と期待 (2ページ目)

  • 市川光治●文 text by Ichikawa Mitsuharu(Hikaru Studio)
  • photo by Taguchi Yukihito

── 身体のポテンシャルも飛び抜けているけれど、努力をする才能も兼ね備えているということですね。以前、ジャイアンツの桑田真澄投手チーフコーチが「僕は身体も小さいし、野球の才能はないけれど努力する才能はあったんだ」と話してくれましたが、大谷選手は身体もでかい、持って生まれた才能もある、さらに努力をする才能もある。ついでにカッコイイ......ならば、もう鬼に金棒以上ですね。

黒木 たしかにそうなんです。自分のポテンシャルの高さを大谷選手はわかっているんです。それをどう生かすかを考えた時に、「これぐらいで大丈夫だろう」ではなかったんですよ。たとえば、大谷選手は60%の力だとしても、僕らが出す100%以上のパフォーマンスはきっと出せちゃいますよ。手を抜いたとしても、ある程度結果は出せるだろうと思います。そうじゃなくて、圧倒したいということでしょうね。圧倒的にねじ伏せたいだったり、圧倒的なパフォーマンスを出したいとなると、やっぱり自分が持っているポテンシャルをちゃんと動かすことができるかだと思うので。そのためには身体を強くしていかなきゃいけないし、連動させていかなきゃいけないし、やり続けなきゃいけない。

二刀流には半信半疑だった

── プロ野球に入って数年間は二刀流に対して懐疑的だったですよね。そもそもジョニーさんは、どう思われていたのですか?

黒木 大谷選手が二刀流をできるかできないか、無理か無理じゃないかじゃなくて、ファイターズに入った時点で、大谷選手が二刀流をやるということは組織論としてやらなきゃいけなかったんですよ。とはいえ「どれくらい能力があるのかな?」と僕自身も正直、半信半疑でした。ところが春季キャンプ初日でそんな気持ちも簡単に覆されて、驚きに変わりました。ボールの質や投げる姿の美しさ、そしてバッティング練習をしたら誰よりも遠くへ飛ばすわけですよ。「これは、どっちかじゃなくて、どっちもだな」と自然に思えましたし、それくらい投手としても打者としても突出していました。

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