大谷翔平の投球はすでに「シーズン中盤並み」の完成度。開幕投手に向けては「新ルール」も追い風に (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

「大谷翔平ルール」で起用法に幅

 大谷かシンダーガードか。『MLB.com』のレット・ボリンジャー記者によれば、「マドン監督は(21日時点では)『まだ開幕投手を指名する準備はできていない』と述べた」とのこと。それでも、大谷の今季初登板は「アストロズとの開幕シリーズ(4連戦のいずれか)になる」と、マドン監督は明言している。

 あとは、それがいつになるかだが、大谷が開幕投手になる可能性は日に日に増している。大谷はオープン戦中に3回の登板が予定されている。3月23日、大谷のオープン戦2度目の登板は26日の敵地でのホワイトソックス戦になると明かされた。そしてオープン戦最後の登板が敵地でのレッズ戦(4月1日)になれば、登板間隔的に次はシーズン開幕戦(4月7日)になる。現地メディアの間では、「開幕投手は大谷になるだろう」という見方が強まっている。

 こういった状況とは別に、「新ルール」が大谷の開幕投手実現に追い風となるかもしれない。

 複数のメディアが、メジャーリーグと選手会で合意された今季の新ルールのひとつとして、「打順に入った先発投手が、降板後も指名打者(DH)として出場を続けられるルールを設ける見込み」と報じた。これは明らかに、二刀流での出場が見込まれる大谷に配慮したもので、「新たに"大谷翔平ルール"が作られる」とも伝えられている。

 この新ルール導入によって、大谷の起用法や投手交代のタイミングといった采配の幅が昨季よりも広がることになる。マドン監督は大谷の投球数について、開幕からしばらくは「1試合で75~80球程度を想定している」と話しているが、投手兼DHで出場させることが可能ならば、大谷の力を最大限に使って今季の初戦を勝ちにいく決断を下すことも考えられる。

 大谷自身はメディアに対し、「(開幕投手を)やってみたいな、という気持ちはもちろんある」と心境を明かしているが、果たして開幕投手に抜擢されるのか。引き続きオープン戦での活躍に注目したい。

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