菊池雄星に地元紙の評価は真っ二つで年俸は「過払いになる」の声も。鈴木誠也には予想成績からも大きな期待 (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by AFLO

鈴木のカブス入団までの混乱

 さらにカブスでの背番号は「27」となったが、その理由について問われると鈴木は、「(エンゼルスの主力)マイク・トラウト。アイ・ラブ・ユー」と答え、現地に集まったメディア関係者を大いに笑わせた。この発言は、『CBSスポーツ』や『NBCスポーツ』、『MLB.com』といった大手メディアが報じ、カブスのツイッターに掲載された鈴木の発言(動画)には、トラウトが所属するエンゼルスが「同じく(好きだよ)」と反応するほど話題となった。

 鈴木のカブス入団は、現地では衝撃的な出来事と受け取られている。ロックアウトが明けた直後、鈴木はダルビッシュ有が所属するパドレスと接触したことがアメリカで報じられた。一部の日本メディアはこの情報を受け、パドレスが決定的であると報道するも、鈴木が自身のツイッターで否定したことによって、移籍先の予想は振り出しに戻った。

 その後、3月14日に鈴木がカブスと交渉を行なったという情報が出回ると、今度は現地メディアも反応を示した。『MLBネットワーク』のジョン・ヘイマン記者のツイッターでの発言によれば、その時点ではカブス以外に、最有力候補だったレッドソックスをはじめ、パドレス、ドジャース、ジャイアンツ、マリナーズにも可能性があるとされた。また、翌15日には、米移籍情報メディア『トレード・ルーマーズ』が「レイズが獲得を狙っている」と報じている。このように、鈴木の移籍先は現地でも誰もわからない状態だった。

 ところが、15日以降に「カブスへの入団がほぼ確実」と報じられると、現地メディアは一斉に記事を掲載した。特にカブスの専門メディアは大きく反応。『カブス・インサイダー』はこの情報に対し、「週の初めに『パドレスと合意した』という情報を見た人からすると、この話に懐疑的になるかもしれない」としながら、「ローゼンタール記者(最初にカブス入りを報じた現地記者)によれば、鈴木はカブスへの入団を選んだ」と報じている。

 別の専門メディア『カブスHQ』も、同球団入りの報に「鈴木のポテンシャルと(選手としての)彼のピーク時に契約できることは、今後、カブスのファンを興奮させるだろう」と報じ、他にもカブスの地元メディア『スポット・オン・イリノイ』は、「カブスは鈴木誠也と契約を結ぶという大成功を収めた」と報道するなど、地元メディアは大いに盛り上がりを見せた。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る