菊池雄星に地元紙の評価は真っ二つで年俸は「過払いになる」の声も。鈴木誠也には予想成績からも大きな期待 (2ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by AFLO

現地メディアの評価は二分

 菊池のブルージェイズ入団を、現地メディアはどのように見ているか。反応を見ていくと、期待と不安が半々のようだ。地元紙『トロント・スター』は、菊池の総額年俸を「過払いになるだろう」とし、今季成功すればいいが、そうでない場合は「リスクが高く、報酬の高いギャンブルで、ローテーションの軸にならなければ意味はない」と厳しい意見を述べている。

 一方、専門メディア『ブルージェイズ・ネイション』は、「正しくアジャストできれば、菊池はブルージェイズに多くのメリットをもたらすことができる」と述べている。また、「菊池のブルージェイズでの1年目がなんらかの理由でうまくいかなかったとしても、支払う額は(契約が終わる)24年まで毎年1000万ドル(約12億円)のみのため、その後の2年間は在籍したとしてもそれほど高価ではない」とも書いている。菊池の年俸が妥当かどうかは意見が分かれているようだ。

 ただ、いずれのメディアもピート・ウォーカー投手コーチの存在が成功の"カギ"になると述べている。『ブルージェイズ・ネイション』では、前出の文のあとに「ウォーカー(投手コーチ)の指導の下で成長するのであれば、大きな掘り出し物になる可能性はある」と述べている。また、米スポーツメディア『ジ・アスレチック』は、「なぜブルージェイズは菊池に『明るい未来』があると感じたのか」というコラムで、ウォーカー投手コーチの話を次のように紹介している。

「彼はオールスターであり、いくつかの素晴らしい活躍を見せた」

 同記事は、ウォーカー投手コーチ自身が菊池を高く買っていることを明かすとともに、キャンプ中にいくつか細かい修正を行なっていくとも書かれていた。開幕後に菊池が現地メディアの評価を変えられるかは、ウォーカー投手コーチの指導次第となりそうだ。

 一方、鈴木誠也の移籍先も意外だった。昨年11月22日にメジャーへのポスティングが公示されてから、一時中断を挟み、約4カ月で出した答えはカブスへの入団だった。3月18日、鈴木のカブス入りが正式に発表され、同球団がキャンプを行なうアリゾナ州メサで入団会見が開かれた。現地の複数のメディアによれば、その総額は5年8500万ドル(約101億2000万円)の大型契約で、日本人野手の契約としても史上最高額となった。

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