長引いたMLBのロックアウトに米ベテラン記者も「恥ずかしいこと」。今後に問われる「共闘」と残った課題の解決 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Yamaguchi Hiroaki/AFLO

 実際にシーズン162試合は守られ、すでにFA 戦線とキャンプが始まったおかげで、ファンは比較的に早くロックアウトのことを忘れてくれるのではないか。大事なのは、そのあとである。

「さまざまな問題を一緒に改善していこうとトニー(・クラーク)と話し合った」と述べるコミッショナーは、その公約を守り、選手会と共闘できるのかどうか。仇敵と手に手を取り合って、依然として残った「国際ドラフトの導入」「フィールド上のルール変更」「最善のプレーオフ形式模索」といった課題に、ファンが納得する形で答えを出せるかどうか。

 実に99日におよぶ労使闘争の終焉は、新しい始まりなのか、それとも単なる休戦に過ぎないのかはわからない。4、5年ごとに激しく衝突してきた歴史を考えれば、楽観的になるのは簡単ではないが、ベースボールを愛するひとりとして、今後の両者の関係向上にほのかな期待を寄せておきたい。

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