筒香嘉智が激白「どんなに厳しい状況でも日本に帰りたいと思ったことは一度もない」 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by AP/AFLO

── バットを最短距離で出すなど、今までと違うことに取り組むなかでズレていったのですか。

「そうですね。レイズのヒッティングコーチはよくしようと言ってくださっていたのですが、その感覚が僕には合わなかった......ということでした」

── それをドジャースで戻したわけですね。今は日本時代と違う感覚はありますか。

「もちろんあります。アメリカの野球に対応しようと常に考えてやっていますが、ドジャースのドリルをやっていくなかで自然にプラスアルファが生まれていた、といったほうが近いですね」

── そういう意味では、ベイスターズ時代より進化していますか。

「僕の感覚では、それはかなりあるかなと思います」

【批判に対して心揺らぐことはない】

── シンシナティ・レッズに移籍した秋山翔吾選手は「メジャーの投手が投げるボールは重く感じる」と話していました。

「重さはやっぱり感じますね」

── となると、重さに負けないように出力を発揮しないといけない?

「重いボールに負けないように力で勝負しようとすると、絶対に負けます。だから、矢田先生に教えていただいているいろんなエクササイズをしながら、日々、体の中をつくっています」

── 体の中をつくる?

「僕の表現で言うと、体の中が詰まっていくような感覚です。スカスカの状態にならないように、詰まっていくような作業をしながら、自分の体を自由に操れるためのエクササイズを日々やっています」

── 力をロスせず、バットに力を伝えてボールを打ち返すのですか。

「ロスしないように打つのではなく、体の中がしっかり詰まっていけば、ロスしなくなるということです。あくまで体が先です」

── 秋山選手は「メジャーの投手は変化球が強い」とも話していました。

「アメリカの場合はストレートに近いような強さ、重さがありますね。そこが日本とまったく違うと感じています」

── いわゆる"動く球"ですか。

「すべての球ですね。変化球も軽くはなく、強くて重たいんです。変化球は(ストレートより)回転数が多いので、日本の時はよく飛ぶという感覚がありましたけど、アメリカはストレートのように強いので、軽く打って飛ぶという感覚は持てません。日本とは全然違うボールですね」

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