「大谷翔平との契約はかなり難解」と地元メディアが見解。カギは二刀流の将来性をどう考えるか

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

 2021年のMLBレギュラーシーズンも残り約1カ月。ロサンゼルス・エンゼルスでプレーする大谷翔平の常識の枠を超えた活躍は続いている。

 現地時間8月26日、ボルチモアでのオリオールズ戦で今季41号を放ち、本塁打王争いでトップを独走中。投手としては、25日の試合では5イニングで3本塁打、4失点を許したことで「サイ・ヤング賞候補」という声は鎮静化するかもしれないが、オールスター以降の6試合で4勝0敗、防御率2.13とすばらしい投球を続けている。

 投打両方の貢献度を考えればMVP獲得も濃厚。「同じ日本人」という贔屓目を抜きにしても、大谷が歴史に残るシーズンを過ごしていることは間違いない。
 
MVP最有力と目され、今後の契約が注目される大谷MVP最有力と目され、今後の契約が注目される大谷この記事に関連する写真を見る そんななかで、次の契約が地元メディア間でも話題になり始めている。今年2月にエンゼルスと2年850万ドル(約9億4000万円)の契約を結んだ大谷は、2022年オフに年俸調停権、2023年オフにはFAの権利を得る。その過程でどんな契約をゲットするかが、メジャー全体でも大きな注目を集めそうだ。

「二刀流をこのレベルで続けた場合、2年後には少なくとも4億ドル(約439億円)、あるいは5億ドル(約549億円)くらいの契約を得るだろう。年齢的に契約年数は7~8年くらいで、メジャー史上最高給選手になる。今季の働きは年俸にして6000万ドル(約65億9000万円)くらいの価値はある。投手として2000万ドル、打者としても2500〜3000万ドルで、その両方をこなし、人気面での付加価値もつくから6000万ドルだ(笑)」

 7月中旬、デンバーで行なわれたオールスターゲームの際、『USA TODAY』のベテランライター、ボブ・ナイチンゲール記者はそう述べていた。

 現在27歳の"怪物"は年齢的にもこれから全盛期を迎えるだけに、次の契約はスケールの大きなものになる可能性が高い。金銭には無頓着な印象もある大谷だが、将来的にどこのチームに属することになろうと、マイク・トラウトの12年総額4億2650万ドル(約472億円)を超えるような超巨額契約を結んでも不思議はない。

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