筒香嘉智は活躍してもしなくても「構わない」。パイレーツ専門メディアが伝えた期待度 (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

 そんなチームの期待に応えるように、筒香はパイレーツへの移籍が正式発表された8月16日、敵地で行なわれた古巣ドジャース戦の9回に代打で出場し、相手チーム守護神ケンリー・ジャンセンの外角高めの95.8マイル(約154キロ)のシンカーを捉え、レフト線への二塁打を放った。また翌17日には「4番・一塁手」でスタメン出場。この試合でも9回の第4打席で、再びジャンセンの92.4マイル(約149キロ)のカットボールをレフト前への二塁打にし、実力をアピールした。

 しかし、筒香はこれからもパイレーツが期待するような活躍を続けられるかはわからない。それも、「筒香は速球に弱い」という指摘がまだ解消されていないからだ。

 地元スポーツメディア『DK・ピッツバーグ・スポーツ』は、「筒香には速球に弱いという問題がある」と指摘し、「筒香に投げられた球のうち62.9%は速球であった」と述べている。この2年間、相手チームは筒香の弱点を容赦なく突いている。そして、この配球はパイレーツに移籍しても変わらないだろう。

 前述のドジャース戦では2試合とも速球を捉えて長打にしてはいるが、筒香はマイナーで徹底的に速球への対策を講じていたわけではない。

 同記事は、「マイナー時代の筒香の映像を見る限りアプローチに大きな変化はない」と指摘し、筒香本人も、「大きくは変えていない」と会見で述べている。この証言もあったことで現地のメディアは、「筒香は自身の弱点を残したままメジャーに戻り、また結果を出せずに終わるのではないか」と厳しく見ている。現地メディアの見解からは、期待の声があるとは言い難い。

 本当にパイレーツは筒香に期待しているのだろうか。あるメディアは、筒香獲得について次のように興味深い見解を述べている。

「パイレーツはサイコロを振った」

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