大谷翔平が語る得だと思う自己評価。「いい状態の時もそれを超える技術を試してみたい」 (2ページ目)

  • 佐々木亨●文 text by Sasaki Toru
  • photo by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

 ピッチングについて、「結果的に状態、フィジカル的に(マウンドに上がるのが)早かったですね」と言い、バッティングについては「(7本目のホームランが)唯一よかったぐらい」と悔しさを押し殺した。

 順風満帆どころか逆境の連続だったが、積み重ねてきた日々が結果として表れ始めたのが今シーズン。「二刀流」に対しての懐疑的な目が、期待と歓喜に変わっていった。かつて大谷は、メジャーでの二刀流についてこのように語っていた。

「バッターとしてその地位を確立して、信頼を築きたい。ピッチャーとしてはなおさらですね。(メジャー移籍)1年目に少ししか投げていないので、はたして本当に投げられるのかという疑問をチームメイトやスタッフ、ファンの方は持っていると思うので、なんとかチームを勝利に導いて、信頼を勝ち取らなければいけないと思っています。それは1試合や2試合で確立できるものではないので、1年を通してアピールしたい」

 まだまだ道半ばである。今シーズン前半戦の成績に対しても、もっとやれたと思っていたところはあるだろうし、満足などしていないはずだ。「大谷翔平」というプレーヤーを、自分自身こう表現する。

「良くても悪くても、どんどん変えていくというのはいいところじゃないかなと思います。現状を守りにいかないという性格ではあるので......すごくいい状態の時でも、それを維持していこうというよりも、それを超える技術をもうひとつ試してみようかなと思います。挑戦してみようかなというマインドがあるのは、得なところだと思います」

 立ち止まらない、挑み続ける──そのマインドで、大谷翔平はこれからも新たな歴史を刻んでいくに違いない。

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