2021.07.15

大谷翔平の走力をメダリスト朝原宣治が分析。「股関節と肩甲骨の使い方がうまい」

  • 中村計●取材・文 text by Nakamura Kei
  • photo by Kyodo News

【もし大谷が100mを走ったら......】

――無理を承知でうかがいますが、もし大谷選手が100mを走ったら、どれくらいの記録が出ると思いますか。

「それ、よく聞かれるんですよね(笑)。サッカー選手とかでも、この選手が100mを走ったら、どれくらい出ますか、とか。ただ、正直なところ、わかりません。野球はベースがあるので、三塁打にしても、ベースを蹴りながら加速します。でも陸上は何もない状態で加速する必要がありますし、コーナーのカーブもかなりゆるい。もし、二盗のときの飛び出しでそのまま走り続け、後半もっと足が回り始めたらかなり速いとは思いますけど」

――10秒台が出ますか。

「う〜ん、試合の映像だけでは、そこまではわからないですね。練習でダッシュしているところを見たら、なんとなくわかるかもしれませんが。ただ、こんなに大きな体をこれだけ使いこなせるなら速いはずですけど」

――陸上も体を使いこなせるならば、大きければ大きいほど有利ですか。

「そうですね。ウサイン・ボルト(身長195㎝)を見れば明らかだと思います。ボルトは大きい上に、回転がすごいんです。100mはその回転が出るかどうか。いくら走り方がきれいで、歩幅が大きくても、回転が出るか出ないかはまた別の能力なんです。そこは実際、やってみないことにはわからないんですよね」

――メジャーリーガーのトップスピードの平均は秒速約「8.2m」と言われています。一方、大谷選手は5月9日(現地)のドジャース戦で内野安打を打った際、「9.2m」を記録しました。

「それは速い。100mで9秒台を出すには、秒速『11.6m』くらい必要なのですが、あのストライドで、後半、ピッチを上げられれば......。ぜひとも大谷選手には1本、100mを走ってみてほしいですけどね」

――大谷選手は長距離型というよりは短距離型であることは間違いなさそうですか。

「初速をあれだけ出せるということはそうでしょうね。瞬発系の運動が得意なんだと思います」