大谷翔平の大偉業なるか。やっぱり野茂、イチローはすごかった。日本人選手のオールスター「活躍の系譜」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

「やっぱりイチローさんが出ている試合かなとは思いますね。そこをメインでみんなが見ていたと思いますし、(テレビに)映る場面が多かったので。僕もちょうど野球が一番楽しい時期だったので、見ていたかなと思います」

 印象に残る過去のオールスターについて問われた大谷はそう答えた。その言葉どおり、メジャーでの実績という点では、球宴でもイチローのそれは群を抜いている。

 2001〜10年まで10年連続出場。中でもシアトル開催だった2001年は、マリナーズの選手として当時の同僚・佐々木主浩と共に初出場し、地元ファンの前で、初回にランディ・ジョンソンからイチローらしい内野安打を放ったシーンが印象的だった。

 また、2007年7月10日、サンフランシスコで挙行されたオールスター。同じくマリナーズの選手として出場した勇姿も忘れられない。イチローが5回表に右腕クリス・ヤングから右翼超えの大飛球を放つと、フェンスに当たって跳ね返った打球はライトのフィールドを転々。この間にイチローは快足を飛ばしてダイヤモンドを一周し、史上初のランニングホームランとなって同年のMVPまで受賞した。

 日本が産んだヒットメーカーは、他の誰にもマネができないプレーができる選手だった。そんなスーパースターのキャリアを語る上で、夢の球宴でのランニングホームランは象徴的な一打と言えるだろう。

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