米メディアが「大谷翔平の50ホーマー」の可能性について言及。それを後押しする数字と体の変化

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by AFLO

 この打席、大谷は膝が大きく下がって腰が引けたような体勢になったが、解説者によれば、「今季はバックスイングの際、昨季よりも右肩を内側に入れなくなった。それによってボールを見極める能力が増し、とっさに振り下ろす腕の距離や角度を変えることが可能になった」と説明している。ただし、「大谷が長身かつパワーを持っているからできる特別な能力である」ともつけ加えた。

 ホームランを量産できている理由はまだある。大谷は今季のキャンプ中、バットに「ブラストモーション」というスイングスピードや軌道、角度をデータ化できるセンサーを取り付けたトレーニングを実施した。このセンサーを使った大谷は、数値化されたスイングの中から自身の感覚にもっとも合うものを選んで理想のフォームを手に入れることができたのだろう。

 前半戦終了を前にして、すでに23本(6月23日現在)のホームランを放っている大谷。そして、7月12日には全米が待ち望んだホームラン競争へも出場する。しかも今年のオールスターゲームは、他球場に比べて10%もホームランが出やすいと言われる、標高1600メートルの高地・デンバーで行なわれるため、より多くのホームランが期待されている。今季、驚異的な進化を遂げ、全米が驚愕するスピードでホームランを量産する大谷は、オールスターとリーグ後半戦に何本のアーチをかけるのか。

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