菊池雄星が大谷翔平と2年ぶりの対決へ。現地メディアが絶賛する成長と物足りない点 (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by AP/AFLO

 投手陣に故障者が多い中、毎試合6イニング近く投げられ、三振も2ケタ近く取れる投手はチームとしては魅力的だ。しかも最近は、レンジャーズ戦でも5回途中までノーヒットピッチングを見せるなど、快投を続けている。そんな菊池を、オーデイ記者は「チームで1、2番手の投手に値する」とベタ褒めし、「今の菊池には10点中8.5点の評価が与えられます」と好印象を持っていることを明かした。

 いずれの記者も菊池の成長ぶりやチームでの存在感を高く評価しているが、「懸念点もまだある」とつけ加える。

 ディビッシュ記者は「打者に対してよりアグレッシブに向かう姿勢を見せるべきだ」と指摘する。この点についてはサービス監督も「もっと声を出して相手に向かっていくべきだと、キャンプ中から伝えている」と、同様のコメントを出している。今季の菊池は、打者から三振を奪った後に声を上げるなど、マウンド上でも気迫溢れる姿を見せてはいるが、まだまだ物足りないらしい。

 一方、オーデイ記者は「試合全体で見れば好投しているように見えますが、毎試合どこかのイニングで、相手のビッグプレーで失点を重ねることもある」と指摘。「菊池はここまで11本の本塁打を打たれています。特に5月は毎試合1本ずつ打たれており、結果、防御率もなかなか下がらず、非常にもったいないです」と苦言を呈す。少しでも制球が甘くなるとスタンドに運ばれてしまうのは、パワーヒッターが多いメジャーでは仕方のないことかもしれないが、それをいかに抑えられるかが今後の課題だろう。

 次の先発予定である6月5日(日本時間6日)のロサンゼルス・エンゼルス戦では、大谷翔平に大きな注意を払う必要があるだろう。

 大谷と菊池による花巻東高校出身同士の対戦は、菊池がメジャーに移籍した2019年から現地でも大きな注目を集めている。2019年6月のメジャー初対戦となった試合では、菊池は大谷に本塁打を浴びた。2020年には対戦機会がなく、今回2年ぶりにまた先輩・後輩対決が実現する。

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