ドジャースによる筒香嘉智「再生計画」。ポジションはどこになるのか (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

 どうやらドジャースは筒香を十分な戦力としてみなし、本気で彼の再生を目指しているようだ。

 5月30日現在、筒香はドジャース移籍後8試合に出場し、23打席3安打2打点、打率は.130で、再生計画はまだその途上にあるといえるだろう。カブナー記者は「打席数が少なく、評価するにはまだ早いですが」と前置きしたうえで、「今のように単打ばかりなのはやはり物足りないです」と語る。しかし、「どれも打球の当たりは強いので、監督の言う打撃フォームさえ改善されれば、今後長打も量産されるでしょう」と打撃復活に大きな期待を寄せる。

 ただ、ドジャースでの筒香の出場機会もそう多くはならないかもしれない。5月29日には、負傷者リストに入っていた外野手のベリンジャーとザック・マッキンストリーが揃って復帰した。ドジャースの外野には、ほかにムーキー・ベッツやマット・ビーティー、クリス・テイラーもおり、筒香のポジションはない。

 もっとも筒香は内野守備もできるので、内野陣のバックアップ選手になれる可能性もある。著者がドジャースのファンに取ったアンケートによれば、「今のチームには絶対必要だ」や、「バックアップの選手として残すべきだ」、「一塁手や三塁手としてまだチャンスはある」と、筒香がチームのベンチに残ることを望む声が数多くあった。

 しかし、今の打撃成績のままでは、控えどころかチームに残ることも難しいだろう。前出のアンケートの中には、「すぐにマイナーに送るべき」や、「ケガ人が戻ったからもういらないだろう」といった厳しい意見をあげる者もいた。残された少ないチャンスの中で、期待されるような打撃を見せることができなければ、筒香はマイナー降格、あるいは2度目の戦力外通告を受けるだろう。

 レイズでは打撃面で存在感を示せず、戦力外通告を経験した筒香。現在取り組んでいる名門ドジャースによる再生計画で日本時代のような輝きを取り戻し、メジャーリーガーとして今季終了まで活躍できることを望むばかりだ。

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