大谷翔平、投手活躍のカギは球種か。注目すべき2年前との割合の違い (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO


 大谷投手もスプリットの投げ過ぎを指摘されたのか、シーズン途中からスプリットの配分を1割程度に減らしました。一方、それまであまり投げていなかったカーブが全体の1割ほどを占めるようになり、それが結果的に緩急のあるピッチングにつながったようです。

 今年の紅白戦の投球データを見ると、3試合合計187球のうち、スプリットはわずか16球(8.6%)。右ひじの故障再発を防ぐため、大谷投手が球種の割合を変えるのかも見どころです。

 それら大谷投手の持つ球種を、どのようなリードで組み立てていくのか。バッテリーを組むジェイソン・カストロ捕手の配球も気になります。カストロはメジャー10年目の33歳。若い投手陣の能力を最大限に引き出すため、マドン監督が今年チームに加えた優秀なベテランキャッチャーです。

 カストロの一番の特徴はキャッチングの巧さ。関係者の間で「球界屈指のピッチフレーマー」と言われています。ピッチフレーマーとは、球審にストライクゾーンぎりぎりの投球をストライクと判定させる技術です。大谷投手にとっては頼もしい新女房になることでしょう。

 開幕前のインタビューで、大谷投手は「ケガなくしっかり出続けるというのが一番大事」と言っていました。たしかに今シーズン、最大の課題は「いかにケガを防ぐか」にあると思います。

 そのひとつに、日本ハム時代からたびたび悩まされていた「指のマメ」があります。2018年のメジャー1年目も、2度にわたって中指にマメができて降板しました。また、2018年は腰の張りを訴えたこともありました。

 そういう意味では「二刀流復活」を目指す大谷投手にとって、レギュラーシーズン60試合というのは理想的かもしれません。まずはシーズンを通してプレーできること。それが叶えば、結果は自然とついてくるでしょう。

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