MLB開幕決定もコロナで「銭闘」激化。メジャー志望の日本人にも影響 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Jiji photo

 また、その打撃はこれからメジャーを目指す日本人選手たちにも波及することは必至とみられる。19年オフには千賀滉大(ソフトバンク)、西川遥輝(日本ハム)、有原航平(日本ハム)、山崎康晃(DeNA)、石川歩(ロッテ)といった複数の選手が近未来のメジャー志望を表明し、「(メジャー挑戦の)ブーム再到来か」などと言われた。

 ただ、資金が厳しくなる各チームが、ポスティングにまわせる金額があるかどうかは微妙だろう。アメリカで活動するある代理人に尋ねると、「日本人選手たちへのネガティブな影響はもちろんあるはずだ」との返事だった。

 ギャモン記者は「今後3年間は厳しい」と述べていたが、実際にコロナショックの影響が今オフだけにとどまるとは考え難い。今季開幕に向けた交渉が揉めに揉めたことが暗い影を落とす。近年もともと良くなかったリーグと選手会の関係が悪化し、次の労使交渉に早くも暗雲が立ち込めたとみられている。

 現在の労使協定は21年12月1日で満了。その後、リーグ全体の収益増にも関わらず年俸を抑えられがちだった選手会が反発すれば、激しい衝突は必至ではないか。だとすれば、21年を前に、1995年以来となるストライキは避けられないのか......。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る