2020.06.30

MLB開幕決定もコロナで「銭闘」激化。メジャー志望の日本人にも影響

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Jiji photo

 その一方で、選手のサラリーは頭打ち。平均年俸は過去2年連続でダウンしており、年俸総額47億ドル(約5000億円)は総収入の44%だ(NBAは51%)。ぜいたく税の対象ラインが事実上のサラリーキャップ(年俸総額の上限)のような役割を果たし、意図的に順位を落としてドラフト上位指名権を狙うタンキングも横行。即座の勝利を目指さないチーム作りも目立つなど、財布のひもを締めたがるオーナーが増えている流れに不満を感じている選手は後を絶たない。

 特に今季はコロナによって、リーグ全体の大幅減収は間違いなく、オフのマーケットへの打撃も大きいだろう。各チームの収入もガタ落ちで、その影響はFA戦線に出る選手たちを直撃するはずだ。

「これから3年間のFA戦線は厳しいものになる。私の好きな選手であるムーキー・ベッツ(ドジャース)は、FAになれば3億5000万ドルから4億ドルの契約を受け取るんじゃないかと思っていた。ただ、今オフは2億5000万ドルを得られたらラッキーなんじゃないか。それが経済の現実なんだ」

 5月下旬、「670 The Score」のラジオ番組に出演した際、大ベテラン記者のピーター・ギャモンはそう述べていた。ベッツ、JT・リアルミュート(フィリーズ)のような大物はそれでも好契約を得るだろうが、金額の低下は避けられまい。

 その他、コーリー・クルーバー(レンジャース)、ジェームズ・パクストン(ヤンキース)のような故障上がりの投手たち、マーカス・ストローマン(メッツ)、田中将大(ヤンキース)といった実績あるベテラン投手たち、さらに1年後をにらんで1年契約を受け入れたディディ・グレゴリアス(フィリーズ)、ジェイク・オドリッジ(ツインズ)、マーセル・オズナ(ブレーブス)のような野手たちまで含め、今オフのFA選手たちが受ける影響は計り知れまい。