菊池雄星の投球フォームが劇的変化。ダルビッシュも「マジすごい」と驚き (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO


 新型コロナウイルスの感染拡大によって中断するまで、菊池投手はオープン戦3試合で6イニング3分の2を投げて4失点。制球面では5与四球と課題を残したものの、10個の三振を奪ったのは大きな収穫です。サービス監督も「まるで違う男みたいだ」と変身ぶりに驚いていました。

 速球とスライダーの球速差が縮まると、バッターにとってふたつの球種の見極めが非常に困難になります。2017年、菊池投手が最多勝と防御率のパ・リーグ二冠に輝いた時は、多くのバッターが球種を読み切れずにやられました。

 なかでも威力を発揮したのが、右打者の後ろ足を目がけて投げる変化球、いわゆる「バックフットスライダー」です。昨年、菊池投手は右打者に対して被打率.304・28被本塁打と打ち込まれただけに、メジャー2年目の今年は内角低目に投じるこのスライダーが生きてくるのではないでしょうか。

 メジャー1年目の2019年、菊池投手のピッチングデータを見ると、速球=49%、スライダー=28%、カーブ=15%という割合でした。2018年の西武ライオンズ時代に比べると、スライダーの割合が約7%減り、メジャーでは効果的と言われるカーブが約4%増えています。

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