ダルビッシュもMLBに痛烈な言葉。新開幕プランに2つの大きな問題 (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

「多くのハードルが残っているのは明らかだが、選手会、コミッショナー、チームは誠実で率直な話し合いと交渉を行なっている。地元のレストランがテイクアウトをしているように、誰もが適応の術を見つけなければいけない。我々のリーダーたちも方法を見つけてくれると信じている」

 ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは5月14日、支援金を集めるチャリティ活動のビデオ会見でそんな楽観的な言葉を残した。しかし、試合の挙行や出場が、最終的には個人の裁量に委ねられる格闘技などとは違い、団体競技では関係者全体の意思を統一させることがより難しくなる。今夏の開幕に向けて時間も限られているため、着地点を見つけられるかは微妙かもしれない。

 未曾有な事態に陥った年として間違いなく人類の歴史に刻まれる2020年、アメリカでベースボールは行なわれるのか。MLBは健康面で十分な対策を提示し、同時に金銭面でも合意できるか。MLBコミッショナーのマンフレッドは、シーズン中止なら各球団の損失は40億ドル(約4400億円)に達すると発言しており、影響は計り知れない。そんな厳しい事態を避けるべく、リーグ、選手会の話し合いが佳境を迎える向こう2、3週間が、極めて重要な時間になる。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る