ダルビッシュもMLBに痛烈な言葉。
新開幕プランに2つの大きな問題

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

 シーズンを強行すれば濃厚接触の機会は避けられない。「感染した選手がいたら、隔離してシーズン続行すればいい」と周囲が言うのは簡単だが、当の選手たちにとっては命に関わりかねない問題だ。PCR検査の機会の確保、感染後の対策など、まだ明確になっていない部分を現場の人間が不安に思うのは当然だろう。

 5月15日には、カブスのダルビッシュ有も「どうしてもプレーして欲しい人たちはリスクが選手に比べて極めて低く、お金は儲けられる人たち」「実際に自分や家族を犠牲にして戦うのは選手や現場スタッフ」「MLBの選手たちは闘犬とほぼ同じ状況だと思う」と、ツイッター上で痛烈な言葉を残した。オーナーやリーグ関係者に対し、同じように考えている選手は少なくないはずだ。

 また、MLBが選手会に提出した最新案には、「チームと選手が総収入を50/50で分け合う」という項目が含まれており、この部分にも選手側の猛反発があることは確実だ。

 もともとMLBは、3月に年俸の60日分を保証し、行なわれたゲーム数に比例する金額を払うことで合意していた。ところが無観客ゲームになったことで、両サイドに食い違いが生じ、リーグは新たに"50/50プラン"を提示(収入が折半になった場合、選手の給与はゲーム数による日割りよりも「4割程度カットされる見込み」との報道も)。この動きに対して、すでにトレバー・バウアー(レッズ)、ブレイク・スネル(レイズ)といったビッグネームが不満を示しており、交渉は難航が予想される。

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