前田健太は新天地に適応できるか。先輩・黒田博樹から学べること (6ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO


 東西の名門チームに合計7年間在籍し、そのうち6年間は30先発180イニング以上をマーク。9イニングあたりわずか1.99与四球・0.88被本塁打という、抜群の制球力と一発を許さないピッチングは実に見事でした。地元紙ニューヨーク・ポストの辛口で有名なジョエル・シャーマン記者が「メジャー史上、最も成功した日本人投手」と評価したぐらいです。

「しっかりイニングをこなせば、それなりの評価をしてくれる」

 かつて黒田投手は後輩の前田投手に、このようなエールを送りました。

 メジャーでの1先発平均イニング数を見ると、黒田投手(6.25イニング)は前田投手(5.31イニング)を上回っています。新天地で先発の座を守るためには、ここにもヒントがあるのではないでしょうか。

 同じエースナンバー18をつけた偉大な先輩----黒田投手から多くのことを学ぶことで、前田投手はア・リーグでもさらに飛躍できると思います。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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