前田健太は新天地に適応できるか。
先輩・黒田博樹から学べること

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO


 ただし、冒頭でも述べたように、今シーズンに限って対戦相手は同じア・リーグ中地区4チームと、交流戦もナ・リーグ中地区5チームのみの対戦となりそうです。東地区や西地区と比べて中地区は強力打線を武器とするチームが少ないので、前田投手にとっては好都合かもしれません。

 過去にナ・リーグからア・リーグのチームに移籍して成功した日本人投手と言えば、真っ先に黒田博樹投手の名前が思い浮かびます。2008年に「広島のエース」という看板を背負ってドジャースに移籍し、2012年にア・リーグのニューヨーク・ヤンキースに移っても変わらず活躍しました。

 黒田投手が成功を収めた最大の要因は、環境の変化にすぐさま適応した点にあると思います。外野が広く投手有利なドジャースタジアムから、ライトが狭くホームランが出やすいヤンキースタジアムへと本拠地を変えても、成績を落とすことはありませんでした。

 ドジャース4年間の成績が41勝46敗・防御率3.45に対し、ヤンキース3年間の成績は38勝33敗・防御率3.44。強力打線を誇るチームの多いア・リーグ東地区に戦いの場を移し、ホームランの出やすい本拠地になりましたが、黒田投手は結果を残して先発のポジションの座を守り通したのです。

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