野茂英雄メジャーデビュー25周年。「トルネード」がアメリカを大きく変えた (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO


 それが野茂投手のデビュー以降、NHKは先発した試合すべてを生中継に切り替えたのです。当時のプロデューサーに訊くと、野茂投手のデビュー直後に契約者が急増したらしく、まさにこれが海外スポーツをライブで楽しむ時代の始まりだったのでしょう。

 野茂投手ブームによって、日本でもメジャー関連グッズを扱う店が続々とオープン。ベースボールカードやメモラビリアが大人気となり、メジャーが一気に身近な存在になった感じがしました。それまでメジャーのグッズは日本でまったく手に入らず、現地の店に直接メールオーダーしていたのですから。

 そして、今につながる最も大きな功績は、「第2の野茂」を目指す日本人選手があとを絶たなくなったことでしょう。日本のプロ野球で実績を残した一流選手だけでなく、日本のプロ球団からドラフト指名されなかった高校・大学の無名選手までもが、こぞってメジャーに挑戦するようになりました。

 また、日本人選手の実力が知られたことで、メジャー球団のスカウトたちも「第2の野茂」発掘に動き出します。1997年には、オリックス・ブルーウェーブの長谷川滋利投手が日本人初の金銭トレードでアナハイム(現ロサンゼルス)・エンゼルスへ移籍し、ロッテ・マリーンズの伊良部秀輝投手が業務提携先のサンディエゴ・パドレスを絡めた三角トレードでニューヨーク・ヤンキースに入団しました。

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