野茂英雄メジャーデビュー25周年。「トルネード」がアメリカを大きく変えた (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO


 その「トルネード旋風」によって、球場では野茂投手の商品が飛ぶように売れました。ロサンゼルス市内のスポーツ店だけでなく、他都市の空港の売店でも地元チームの商品に混じって野茂投手の商品が置かれました。こんな状況は、地元チーム一辺倒のアメリカではあり得なかったことです。

 さらに日本人ファンの来場によって、球場の食文化にも影響を与えました。

 昔からアメリカの球場と言えば、どこへ行ってもホットドッグが有名です。ところが、ドジャースタジアムに『吉野家』が出店し、箸で"ビーフボウル"を食べながら観戦するアメリカ人の姿を見るようにもなったのです。それをきっかけに、世界のビールや名物料理などが全米各地の球場で堪能できるようになりました。

 一方、日本国内ではメジャー人気が沸騰しました。1987年にNHKは衛星放送スタートと同時に「速報大リーグ中継」を開始。ただ、当時のそれは2時間程度にダイジェストされた録画放送でした。

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