MLBでは「最強1番打者」の傾向。俊足巧打の秋山翔吾はどう立ち向かう (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO


 計算方法は複雑なので割愛しますが、1打席当たりの得点の多さをリーグの平均打者は「100wRC+」とした場合、それに比べて何パーセント多いかを表す指標として用いられています。たとえば、160wRC+(1.6倍)以上は突出してすばらしく、140wRC+(1.4倍)以上は非常にいい、というような評価となり、この数値が大きいほど打撃能力や出塁能力が高い選手と言えます。

 野球ウェブサイト『FanGraphs』によると、2019年のメジャー全体1位はトラウトで180wRC+。1番打者ではスプリンガーが156wRC+で6位に入っています。

 スプリンガーは1番打者として出塁率.385をマークし、自己最多となる39本塁打でチームに多くの得点と勝利をもたらしました。これほど高い数値を中軸打者ではなく、1番打者が出したのは驚きです。

 18年ほど前の2002年当時、メジャーがパワーよりスピードある1番打者を求めていた時代にさかのぼると、1番打者の平均wRC+はメジャー全体の平均を下回る93 wRC+でした。これは、3番〜6番の評価基準より低く、7番あたりと並ぶ数値です。

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