小島圭市がMLBプレーオフを解説。成熟のアストロズとドジャースが本命⁉ (3ページ目)

  • 高橋博之●文 text by Takahashi Hiroyuki
  • photo by AP/AFLO

 一方の打線は、シーズン前半はアーロン・ジャッジ、ジャンカルロ・スタントンを欠くなか、DJ・ラメイヒュー、ジオ・アーシラといった新しく入ってきた選手が結果を残してきました。また、ここに来て、ジャッジは本来のバッティングを見せていますし、グレイバー・トーレスも本格化してきた。スタントンはまだ状態が上がりきっていないので、思い切って代打の切り札で起用するのも面白いと思います。

 主力を欠いても代替選手が見事に穴を埋め、あらためて選手層の厚さを見せつけたヤンキースですが、投打ともにアストロズと比べると戦力は見劣りしてしまう。いずれにしても、接戦に持ち込めるかがカギになりそうです。

 この2つに続くのがミネソタ・ツインズです。シーズン307本塁打は両リーグトップ。圧倒的な打撃力で勝ち抜いてきました。ただ、先程も言いましたが、プレーオフはシーズン中のようなバッティングをさせてもらえません。30本塁打以上を記録した選手が5人いますが、どこまで機能するかは未知数です。シーズンどおりの野球ができれば一気に勝ち抜く可能性はありますが、投手力が弱いだけに厳しいでしょうね。

 ワイルドカードゲームでオークランド・アスレチックスを下したタンパベイ・レイズですが、派手さはありませんが、しっかりした野球をやってくるチームです。とくに投手陣はチャーリー・モートンを筆頭に安定感があります。昨年のサイ・ヤング賞投手であるブレイク・スネル、タイラー・グラスノーが復調すれば面白いですが、ア・リーグを勝ち抜くには戦力的に足りない気がします。

 順当にいけばアストロズですが、何が起きるかわからないのが短期決戦の怖さであり、面白さでもあります。アストロズがシーズン中のような強さを発揮すれば、リーグチャンピオンシップはおろか、ワールドシリーズ制覇も十分にありえます。

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