リリーフ前田健太に心強い数値。プレーオフへ「いい流れできている」 (2ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文 text by Shiratori Junichi
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 その試合で3回から2番手として登板し、4イニングを1安打無失点。およそ1カ月ぶりの勝利を挙げたインタビューで、プレーオフについて問われた前田は次のように答えた。

「今日は、監督から『ある程度長いイニングを投げてもらう』と言われていました。先発投手ではないので、そこまで勝ち星は重要ではないと思いますし、それよりも大切なのは内容。全球種を投げられた点はよかったと思う。

 監督から起用法を明言されたわけではないですが、プレーオフではシーズン中のように先発を我慢して(長く)使うようなことは決してない。何が起こるかわからない戦いになると思うので、いい状態をキープして、いつでも投げられるように準備していきたいです」

 これまでも、ドジャースのポストシーズンの戦いを支えてきた"リリーフ投手"前田。2017年には9試合に登板し、防御率0.84という抜群の安定感を見せた投球の再現を、デーブ・ロバーツ監督も思い描いているに違いない。

 今シーズンの前田は、バットに当たった後に飛んでいく打球の速度を示す「exit velocity」の数値が低く、今シーズンのリーグ4位にランクインしている。長打が許されない試合終盤の局面において、心強い数値だ。実際に、リリーフ転向後に今シーズン初セーブを挙げた9月2日のコロラド・ロッキーズ戦では4回を投げて2本塁打を許したものの、その後の9試合では11回2/3を投げて被本塁打はわずか1のみ。

 その本塁打を許した9月17日のタンパベイ・レイズ戦で、前田は2年ぶりの2ケタ勝利となる10勝目を挙げた。それでも「(2ケタ勝利は)いいんじゃないですか。(リリーフなので)関係ないといえば、関係ないですけど」と淡々と振り返り、得点を許した投球について「(本塁打を打たれたボールは)甘かった。切り替えるしかない」と表情を変えずに語った。

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