ロボット審判導入で話題。アメリカ
独立リーグの選手給料とレベルは?

  • 宮寺匡広●文 text by Miyadera Masahiro
  • photo by AP/AFLO

 私自身、シーズン中の解雇は何度も経験した。言い渡された時のショックは大きいが、ほとんどの選手はそこであきらめたりはしない。私も解雇されるたびに、練習生として球団に残してほしいと監督にお願いしたり、他球団にトライアウトを申し込みにいったりと、プレーチャンスを求め続けてきた。

 MLB組織や独立リーグで解雇されても、自分のレベルに応じた再チャレンジがしやすいのもアメリカ野球の特徴のひとつなのだ。

 このようにアメリカ独立リーグのシーズン中の各チームの登録選手はとても流動的だ。チームによっては、開幕時のメンバーがシーズン終了時に半分以上も変わっていることはよくある。1シーズン通してプレーを続けることすら大変なことなのだ。
 
 その激しい競争のなか、選手は頂点であるメジャーリーガーになることを最大の目標としている。それと同時に、独立リーグでもアトランティックリーグやアメリカン・アソシエーションリーグといった、レベルの高い人気リーグでキャリアを積み上げたいと考える選手も多くいる。
 
 独立リーグとはいえ、「プロ野球」という認識がアメリカでは強い。より上位のリーグでプレーすることができれば、プロ野球選手としてのキャリアを積み上げたと胸を張ることができる。
 
 そこで成績を残せば、他国のプロ球団と契約を結び、助っ人として活躍したり、引退後は監督やコーチなど指導者として活躍の場を広げていく可能性も大いにある。

 このようにアメリカの野球には、MLB以外にもチャンスがたくさんある。こうした裾野の広さが、次から次へとスター選手が誕生するアメリカ野球の下支えとなっているのだと感じる。華やかなメジャーリーグの陰には、厳しくも大きな可能性を秘めた野球の世界が広がっているのだ。

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