ロボット審判導入で話題。アメリカ独立リーグの選手給料とレベルは? (4ページ目)

  • 宮寺匡広●文 text by Miyadera Masahiro
  • photo by AP/AFLO

 アメリカ野球は、観客を楽しませるエンターテインメントとしての要素が強いが、独立リーグでもそれは変わらない。どのリーグでも、どのチームでも、毎試合さまざまな取り組みが行なわれている。

 ビンゴゲームや花火などのイベントがあったり、イニング間の投球練習中に子どもたちと球団マスコットとの競争や、賞品をかけた椅子取りゲームなどが行なわれたりする。また、フィールドの端に簡易的なリングをつくり、ボクシングの試合が行なわれたこともあった。

 そうしたイベントは、観客だけでなく控えの選手たちもついつい目を奪われてしまう。私も試合中のつかの間の息抜きとしていつも楽しみにしていた(リフレッシュでき、個人的にはプレーにもいい影響があったと感じている)。

 また、独立リーグの球場は選手との距離が近く、サインボールをもらったり、会話しやすいことも醍醐味のひとつである。メインは野球だが、そうしたイベントや球場全体の雰囲気など、勝敗以外にも観客が楽しめる要素がたくさんあるのだ。

 日本の独立リーグからNPBに上がる選手はわずかだが、それはアメリカでも変わらない。しかし、日本ではNPBへのステップアップや育成に主眼が置かれているのに対し、アメリカでは育成というより競争の印象が強い。

 シーズンが始まる前に、スプリング・トレーニングと呼ばれるキャンプが数週間行なわれるのだが、ここに各チーム40人ほどの選手が集まる。開幕戦の登録枠は、22~25人。オープン戦を繰り返し、選手をふるいにかけていく。登録枠に入れなかった選手は、開幕を待たずして解雇というシビアな世界だ。
 
 また、このサバイバルを生き残ったとしても、シーズン中に不振が続いたり、チームで機能していないと首脳陣に判断されれば、その選手は解雇され、新たな選手が補充される。

 アメリカ、カナダでドラフトに漏れた選手、メジャーやマイナーを解雇された選手、アメリカでチャンスを掴もうとしている中南米の選手たちが、プレー機会を虎視眈々と狙っているため、代わりはいくらでもいる。

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