ロボット審判導入で話題。アメリカ
独立リーグの選手給料とレベルは?
今年7月10日にアメリカ独立リーグ、アトランティックリーグのオールスター戦で「トラックマン・コンピューターシステム」を使ったロボット審判が導入された。
近年、NPB球団でも導入が進んでいるトラックマン(高性能弾道測定器)。もともとは軍事用レーダーとして開発されたものだが、この機械でデータを集積、分析し、選手の技術向上や戦略に役立てている。
そのトラックマンの機能を使い、ストライクとボールの判定をし、それを携帯端末に接続されたイヤホンをつけた主審が聞き、コールを行なう。ただコンピューターは、ハーフスイングの判定ができず、ボールがバウンドしてからストライクゾーンに入ったらストライクと判定してしまうため、ある程度の範囲は主審が決定権を持つ。
米独立リーグのオールスター戦で初めて メジャーリーガーの間では、正確な判定ができることに好意的な意見もあれば、野球から人間性が失われてしまうことへの懸念に拒否反応を示す選手もいて、導入に対して意見が分かれている。
実際、キャッチャーの返球後に判定が告げられることもあり、課題はまだまだ多いようだ。
今回のロボット審判導入の経緯は、アメリカ独立リーグのアトランティックリーグと大リーグ機構(MLB)が今年2月に業務提携を結び、将来の実施に向けて試験的に導入されたものだった。
だが、アメリカ独立リーグやアトランティックリーグと聞いてもピンとこない人は多いのではないか。日本ではあまりなじみのない世界を、そこでのプレー経験がある筆者の視点も交えて、その実態を紹介していきたい。
独立リーグとは、MLBやNPBとは別に独立採算で経営されているプロ野球リーグで、90年代中頃からアメリカ国内で急速に広がり始めた。2019年現在、北米には8つのリーグが存在する。
主にMLB組織を自由契約になった選手や、高校や大学卒のルーキー、アメリカンドリームを目指す中南米諸国の選手を中心に構成されている。その競技レベルはリーグごとにバラバラで、メジャーリーグ下部組織のマイナーリーグになぞらえると、底辺のルーキーリーグ級から3A級まで幅がある。
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