ファン、雄星、翔平、プロ野球へ。イチローから現役最後のメッセージ (9ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― イチロー選手のいないこれからの野球をどのように楽しめばいいでしょうか。

「2001年にアメリカに来た時と今の野球は、まったく違うものになりました。頭を使わなくてもできてしまう野球になりつつある。選手も、現場にいる人も感じていることだと思うんですけど、これがどうやって変化していくのか。次の5年、10年は、しばらくはこの流れは止まらないと思うんですけど。本来、野球というのは頭を使わないとできない競技なんです。それをしないというのがどうも気持ち悪くて......。野球の発祥はアメリカですが、そのアメリカの野球がそうなってきている。そこに危機感を持っている人って結構いると思うんですよね。だから、日本の野球がアメリカの野球に追従する必要なんてまったくなくて、やっぱり日本の野球は頭を使う、おもしろい野球であってほしいなと思います。アメリカのこの流れは止まらないので、せめて日本の野球は決して変わってはいけないと。大切にしなくてはいけないものを大切にしてほしいなと思います」

―― 子どもの頃からの夢であるプロ野球選手になるという夢をかなえて、これだけ成功なさって、イチロー選手はいま、何を得たと思っていますか。

「そりゃ200本もっと打ちたかったし、できると思ったし、1年目(2001年)にチームは116勝して、その次の2年間も93勝して、『勝つのってそんなに難しいことじゃないな』ってその3年間は思っていたんですけど、大変なことです。この感覚を得たことは大きいかもしれないですね」

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