つい踊ってみたくなる?メジャーリーガーに日本の応援はどう映ったか (2ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Nagatsuka Kazushi
  • photo by Getty Images

 第5戦でサードを守っていたエンリケ・フェルナンデス(ロサンゼルス・ドジャース)も、投球間に何度も外野スタンドに目をやっていた。初来日となったフェルナンデスにとって、日本の応援はとても新鮮だったようだ。

「『すごいなぁ』と思いながら見ていたんだ。それぞれの選手に応援歌があって、それに合わせて大合唱したり、飛び跳ねたり......見ているだけで楽しいよ。みんなが決まった動きをきちんとしている様子が、とてもクールに映ったよ」

 第2戦は日本が序盤から大量のリードを奪うなど、12-6と快勝したが、どれだけ点差がついても熱い応援を続けることにフェルナンデスは感心していた。

 一方で、こうした応援に慣れていない選手にとっては、実害をもたらすこともある。アメリカンフットボールには"クラウドノイズ"という観客が声援によって相手チームのプレーの邪魔をすることがあるが、日本の応援もメジャーリーガーにとっては時として"クラウドノイズ"になることがある。

 たとえば、第2戦の6回表に柳田悠岐(ソフトバンク)が放ったこの日4安打目となる打球は、センター前にポトリと落ちた。この時、センターを守っていたケビン・ピラー(トロント・ブルージェイズ)は大声援のために打球音が聞こえず、スタートが遅れたという。

「いつもはスイング軌道と打球音で判断するんだけど、まったく聞こえなかった。それに柳田のフルスイングにだまされたところも少しはあった」(ピラー)

 ファンの声援がプレーの妨げになることはあるのかをメリフィールドに問うと、彼は「あるね」と即答した。

「たとえば、僕がセカンドを守っていて、ライトとの間にフライが上がったとする。いつもなら、どっちが捕るべきかは声によって判断しているんだけど、あれだけの大声援のなかだと声によるコミュニケーションが取れなくなる」

 かつて日本ハムに在籍したこともあるクリス・マーティン(テキサス・レンジャーズ)は、日本特有の応援を知るひとりだ。そんなマーティンは、チームメイトにこんなアドバイスを送ったという。

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